広い土地は、測量と分筆登記を行うことで、複数の区画に分けて売却できる場合があります。ただし、分けた後の各区画が道路へ適切に接し、建物を建築できることが重要です。道路新設や造成を伴う場合は開発許可等が必要になることがあり、複数区画を複数の買主へ販売する方法は宅地建物取引業法上の確認も必要です。
はい。広い土地は、複数の土地に分けて売却できる場合があります。ただし、土地の一部分を別々の買主様へ売却するためには、原則として土地家屋調査士による測量と分筆登記が必要です。
土地を小さく分けることで、1区画当たりの販売価格が下がり、住宅用地を探している方が購入しやすくなることがあります。
一方で、分割後の土地が狭すぎる、道路へ接していない、上下水道や排水を確保できないといった場合は、建築用地として利用しにくくなり、かえって売却価格が下がる可能性があります。
そのため、最初から分筆登記を行うのではなく、土地全体で売却する場合と、複数区画に分けて売却する場合の価格、費用、売却期間、法令上の条件を比較してから判断することが大切です。
日常会話では、土地を複数に分けることを「土地を分割する」と表現します。
一方、不動産登記では、一筆の土地を登記上複数の土地に分けることを「分筆」といいます。
一つの土地を塀や線などで区切って使用するだけで、登記簿上は一筆のままです。
一筆の土地を登記上複数の土地に分け、それぞれに新しい地番を付ける手続きです。各区画を別々の買主様へ売却する場合は、原則として分筆登記を行います。
土地全体では高額になる場合でも、住宅1棟分程度の広さに分けることで、購入できる方が増える可能性があります。
一般住宅に適した広さや価格にすることで、土地を探している個人のお客様へ紹介しやすくなります。
広い土地を一括で売る場合より、複数区画に分けた方が、合計の売却金額が高くなることがあります。
自宅や将来利用する土地を残し、不要な部分だけを分筆して売却する方法も検討できます。
| 比較項目 | 土地全体を一括売却 | 複数区画に分けて売却 |
|---|---|---|
| 購入価格 | 総額が高くなり、購入者が限られる場合があります。 | 1区画当たりの価格を抑えやすくなります。 |
| 主な買主 | 事業者、建築会社、投資家などが中心になる場合があります。 | 住宅用地を探している個人も対象になります。 |
| 事前費用 | 比較的抑えやすい傾向があります。 | 測量、分筆、造成、設備整備などが必要になる場合があります。 |
| 売却期間 | 買主様が決まれば一度で売却できます。 | 区画ごとに売却時期が異なる可能性があります。 |
| 売却総額 | 一括購入を前提に価格交渉を受ける場合があります。 | 合計額が高くなる可能性がありますが、費用も増えます。 |
| 手続き | 比較的分かりやすい傾向があります。 | 分筆、開発、道路、設備、宅建業法などの確認が増えます。 |
分筆登記を行うためには、原則として土地全体の境界を確認し、分ける土地の位置や面積を明らかにする必要があります。
土地家屋調査士が法務局や市役所などの資料を調査し、現地を測量したうえで、隣接地所有者や道路・水路の管理者などと境界を確認します。
境界標がない、隣接地所有者が遠方に住んでいる、相続登記が終わっていない、境界について意見が一致しないといった場合は、手続きに時間がかかることがあります。
住宅を建築する土地は、原則として建築基準法上の道路へ一定以上接している必要があります。
広い土地を単純に奥と手前に分けると、奥の土地が道路へ接しなくなり、建築できない土地になる可能性があります。
奥の区画へ通路部分を設ける旗竿地にする方法や、新しい道路を設置する方法などがありますが、通路幅、道路の構造、開発許可などの確認が必要です。
面積だけを均等に分けても、すべての区画が同じ価値になるとは限りません。間口、接道、形状、方角、上下水道の位置などを考慮して区画割りを検討します。
土地を分けるだけでなく、道路の新設、造成、切土・盛土、排水施設の整備などを行い、住宅用地として利用する計画は、都市計画法上の開発行為に該当する場合があります。
開発行為に該当する場合は、土地利用計画、道路、排水、防災などについて行政との事前協議や許可が必要になります。
土地の面積だけでなく、造成の内容や複数の工事を一体として行う計画かどうかによっても判断が異なります。
区画割りや造成工事を決定する前に、都城市の建築対策課などへ確認することが大切です。
住宅用地として区画を分ける場合は、それぞれの土地で給水、排水、電気などを利用できることが重要です。
既存の水道管が1本しかない場合は、区画ごとに給水管を引き込む工事が必要になることがあります。
公共下水道がない地域では、合併処理浄化槽の設置場所や、処理水の排水先を確保できるかも確認します。
分筆後の土地価格が高くなっても、道路や上下水道の整備費用が大きい場合は、売主様の手元に残る金額が一括売却より少なくなる可能性があります。
登記地目や現況が田・畑などの農地である場合は、分筆登記だけでは住宅用地として売却できません。
農地を住宅用地などへ転用して売却する場合は、農地法上の許可などが必要です。
農用地区域内の農地など、転用が難しい土地もあります。また、農地転用が可能であっても、道路、排水、建築などの条件を満たすとは限りません。
農地を分譲する計画は、農業委員会や関係部署へ確認してから進めます。
土地に金融機関の抵当権が設定されている場合、分筆後も原則として各区画に抵当権の効力が及びます。
一部の区画だけを先に売却する場合は、売却する区画について抵当権を抹消するため、金融機関の承諾が必要になります。
売却代金のうち、いくらを住宅ローンの返済へ充てるのかなどを金融機関と協議することがあります。
分筆や販売を始める前に、住宅ローン残高と抵当権の状況を確認してください。
個人が所有する土地であっても、複数の区画に分け、複数の買主様へ反復継続して販売する計画は、宅地建物取引業に該当する可能性があります。
一度の分譲計画であっても、区画割りした宅地を複数の方へ販売する場合は、取引の目的、取得経緯、販売方法、区画数などを総合的に確認する必要があります。
宅地建物取引業に該当する場合は、免許を持たない個人が自ら売主として反復継続して販売することはできません。
このような場合は、土地全体を宅地建物取引業者へ一括売却する方法や、適法な事業スキームを専門家と検討する必要があります。
土地を複数区画に分けて異なる年に売却すると、区画ごとに売却価格、取得費、譲渡費用などを整理する必要があります。
測量費、分筆登記費、造成費、道路整備費などが、どの区画の取得費または譲渡費用に該当するかについて、税務上の確認が必要になることがあります。
また、事業として反復継続して土地を分譲した場合は、一般的な土地譲渡とは所得区分などの取扱いが異なる可能性があります。
具体的な税額や申告方法については、分割計画を実行する前に税理士または税務署へ確認してください。
奥の区画が道路へ接しない、間口が狭いなど、建築しにくい土地が生じる場合があります。
購入者の希望する面積と合わず、再分筆が必要になったり、売れにくい区画が残ったりすることがあります。
道路、給水、排水などの工事費が想定より高く、一括売却より手取り額が少なくなる場合があります。
計画した造成や道路新設ができず、区画割りを変更しなければならない場合があります。
個人が複数区画を複数の買主へ販売する計画が、宅地建物取引業に該当する可能性があります。
例えば、相続した広い土地について、「土地全体では高額なので、半分ずつに分けた方が売れやすいのではないか」というご相談があります。
道路に広く接しており、各区画の形状や広さが住宅用地に適している場合は、2区画に分けることで購入希望者が増える可能性があります。
一方、接道部分が狭い土地や、奥行きが極端に長い土地では、分けることで一方の区画が使いにくくなり、土地全体の価値を下げる場合があります。
また、3区画以上に分けて道路や排水設備を整備する計画では、単純な分筆ではなく、開発事業として検討しなければならないことがあります。
都城市・三股町で広い土地を売却する場合、当社では最初から分筆をおすすめするのではなく、土地全体で売却する場合と、複数区画に分ける場合を比較します。
周辺で購入希望者が求めている土地の広さ、1区画当たりの価格、道路条件、上下水道、排水、建築の可否などを確認し、現実的な区画割りをご提案します。
分筆が有利と考えられる場合でも、測量費、分筆登記費、造成費、設備工事費、税金などを差し引き、売主様の手元にいくら残るのかを確認することが重要です。
また、複数区画を販売する計画では、開発許可や宅地建物取引業法上の問題が生じる可能性があるため、土地家屋調査士、行政、税理士などと連携しながら進めます。
測量や造成に費用をかける前に、まず現在の状態で査定をご依頼ください。


