シロアリ被害がある住宅でも売却できますか?

シロアリ被害がある住宅でも売却できます。被害があるからといって、必ず駆除や修繕を済ませなければ売却できないわけではありません。ただし、売主様が把握している被害箇所、発見時期、駆除・修繕履歴などは、購入希望者へ正確に説明することが大切です。被害の範囲、建物の利用価値、修繕費用、土地としての需要を確認し、中古住宅、現況売却、古家付き土地など、物件に適した方法を検討します。
30秒で分かる結論

シロアリ被害がある住宅でも売却できます。駆除・修繕して中古住宅として売る方法、被害状況を説明して現況で売る方法、古家付き土地として売る方法があります。重要なのは、把握している被害を隠さず、被害箇所、調査結果、駆除・修繕履歴などを買主様へ説明し、引渡し条件と責任範囲を書面で明確にすることです。

回答

はい。シロアリ被害がある住宅でも売却できます。被害の状況を購入希望者へ正確に説明し、駆除や修繕を誰が行うのか、売却価格、引渡し条件、売主様が負う責任の範囲などについて合意できれば、売買を進めることが可能です。

シロアリ被害があるからといって、必ず売主様が駆除・修繕を完了させてから売却しなければならないわけではありません。

被害が軽く、駆除や部分補修で住宅として利用できる場合は、必要な対応を行ったうえで中古住宅として販売できます。

一方、被害範囲が広い場合や建物全体の老朽化が進んでいる場合は、被害状況を説明して現況で販売する方法や、建物の価値を見込まず古家付き土地として販売する方法があります。

重要なのは、シロアリ被害を隠したり、確認していないのに「駆除済み」「被害はありません」と断定したりせず、確認できている事実と未確認の事項を分けて説明することです。

先に確認しておきたいポイント
  • シロアリ被害がある住宅でも査定・売却できます。
  • 必ず売主様が駆除・修繕してから売る必要があるとは限りません。
  • 把握している被害箇所や駆除履歴は、買主様へ正確に説明します。
  • 被害の有無だけでなく、柱や土台などの傷みも確認します。
  • 建物状況調査だけでは、床下全体のシロアリ被害を確認できない場合があります。
  • 必要に応じて、専門業者による床下調査を検討します。
  • 現状有姿や免責特約があっても、把握している事実を説明しなくてよいわけではありません。
  • 駆除・修繕費を売却価格へ全額上乗せできるとは限りません。
  • 高額な工事を依頼する前に、現在の状態で査定を受けましょう。
シロアリ被害があっても売却できる理由

中古住宅の価値は、シロアリ被害の有無だけで決まるものではありません。

被害の範囲、建物の構造、修繕の可否、土地の立地や広さ、道路条件、周辺の需要、販売価格などを総合的に判断して購入を検討する方もいます。

購入後に全面的なリフォームを予定している方であれば、シロアリの駆除や傷んだ木部の補修も含めて工事計画を立てる場合があります。

また、建物を利用しにくい場合でも、土地として需要があれば、古家付き土地として購入を検討する方が見つかる可能性があります。

シロアリ被害がある住宅の主な売却方法
① 駆除・修繕して中古住宅として売却する

被害範囲が明確で、駆除と部分的な補修によって住宅として使用できる場合に検討します。調査報告書、施工写真、保証書などがあれば、買主様へ説明しやすくなります。

② 被害状況を説明して現況で売却する

シロアリ被害や傷んだ箇所を説明し、買主様が購入後に駆除・修繕することを前提として販売します。費用を考慮した価格設定と、契約条件の整理が必要です。

③ 古家付き土地として売却する

被害や老朽化が進み、建物の利用価値を見込みにくい場合は、建物を残したまま土地の価値を中心に販売します。

④ 買主様が決まってから解体する

古家付きの状態で販売し、土地として購入する買主様が決まった後に、売主様が建物を解体して更地で引き渡す方法です。

売却方法の比較
比較項目 駆除・修繕して売却 現況で売却 古家付き土地
事前費用 調査、駆除、木部補修などの費用が必要です。 比較的抑えやすい傾向があります。 先に解体費用を負担せず販売できます。
主な買主 中古住宅として利用したい方 購入後に改修したい方 土地利用や建て替えを予定する方
価格への影響 状態改善を反映できる場合があります。 駆除・修繕費を考慮した価格になりやすい傾向があります。 土地価格から解体費等を考慮される場合があります。
注意点 工事費を売却価格から回収できるとは限りません。 被害状況と責任範囲を書面で明確にします。 建物を利用したい方もいるため、先に解体するか慎重に判断します。
シロアリ被害が疑われる主な症状

次のような症状がある場合は、シロアリの侵入や木材の食害が疑われることがあります。

  • 基礎や束石に土でできた蟻道がある。
  • 床が沈む、ふわふわする、きしむ。
  • 柱や土台をたたくと空洞のような音がする。
  • 木材の表面が薄く残り、内部が食べられている。
  • 室内や建物周辺で大量の羽アリを見た。
  • 浴室、洗面所、台所、玄関付近の木材が傷んでいる。
  • 雨漏りや漏水があり、木材が長期間湿っている。
  • 過去にシロアリ被害や防除工事を行ったことがある。

ただし、床の沈みや木材の腐食がすべてシロアリによるものとは限りません。水漏れ、湿気、経年劣化など、別の原因で傷んでいる場合もあります。

被害を受けやすい場所

シロアリは、暗く湿気があり、木材へ近づきやすい場所で被害が発生しやすいとされています。

  • 床下の土台、柱脚、床組
  • 浴室、洗面所、台所、トイレなどの水回り
  • 雨漏りしている屋根、壁、窓周辺
  • 玄関や勝手口の木枠
  • 増築部分や建物の継ぎ目
  • 木材や切り株などが地面に接している場所
  • 通風が悪く湿気がこもりやすい床下
売却前にシロアリ調査を行った方がよいですか?

シロアリ被害が疑われる場合や、過去に被害があった場合は、専門業者による床下調査を検討する価値があります。

調査によって、被害の有無、蟻道、食害箇所、木材の腐食、床下の湿気などを確認し、駆除や修繕の必要性を判断しやすくなります。

ただし、床下へ入れない構造、点検口がない住宅、荷物や設備で確認できない場所などは、調査範囲が限られることがあります。

調査を行った場合は、確認できた範囲と確認できなかった範囲を明確にした報告書を受け取りましょう。

建物状況調査だけでシロアリ被害を確認できますか?

建物状況調査では、基礎、土台、床組、柱などについて、目視や計測が可能な範囲の劣化事象を確認します。

しかし、一般的な建物状況調査は、シロアリの種類や活動状況、床下全体の食害範囲などを専門的に判定するための調査とは異なります。

点検口から見える範囲に異常がなくても、床下の奥や壁の内部に被害が隠れている可能性があります。

重要

シロアリ被害について詳しく確認したい場合は、建物状況調査とは別に、床下へ入り込んで確認する専門的な調査を依頼する方法があります。調査の範囲、方法、費用を確認してから依頼しましょう。

査定前に整理しておきたい情報
  • シロアリ被害を確認した場所
  • 初めて被害を確認した時期
  • 羽アリや蟻道を見たことがあるか
  • 過去に調査を行ったか
  • 駆除、防除処理を行った時期と業者名
  • 柱、土台、床などを修繕したか
  • 駆除後に再発したことがあるか
  • 雨漏り、漏水、床下の湿気などがあるか
  • 調査報告書、見積書、請求書、保証書の有無
  • 被害箇所や工事中の写真が残っているか
把握しているシロアリ被害は買主様へ説明します

売主様が把握しているシロアリ被害、過去の被害、駆除・修繕履歴などは、物件状況報告書や売買契約書の特約などを利用して買主様へ説明します。

現在は被害が確認されていない場合でも、過去に被害があり、駆除や修繕を行った場合は、その経緯を伝えることが大切です。

原因や被害範囲が分からない場合は、推測で断定せず、「床下全体の専門調査は実施していない」「確認できた範囲のみ」など、調査状況も含めて説明します。

シロアリ被害と契約不適合責任

引き渡された住宅が、品質などについて売買契約で定めた内容に適合していない場合は、契約不適合責任が問題となることがあります。

例えば、シロアリ被害がない住宅として契約したにもかかわらず、引渡し後に契約時から存在していた重大な被害が判明した場合は、契約内容との相違を指摘される可能性があります。

一方、確認されている被害箇所や過去の駆除履歴を契約前に説明し、買主様がその状態を理解して購入した場合は、その内容を前提として契約条件を整理できます。

どの状態で引き渡すのか、売主様が駆除や修繕を行うのか、買主様が購入後に対応するのか、責任を負う範囲と期間を売買契約書で明確にすることが重要です。

現状有姿であれば説明しなくてもよいですか?

現状有姿とは、原則として売買契約時の物件の状態で引き渡すことをいいます。

しかし、現状有姿や契約不適合責任を負わない旨の特約がある場合でも、売主様が把握しているシロアリ被害や駆除履歴を説明しなくてもよいという意味ではありません。

どの被害を説明したのか、どの範囲を調査したのか、駆除・修繕済みなのか、再発の有無などを、書面で明確にしておくことが大切です。

駆除・修繕してから売却した方がよいですか?

シロアリ被害がある場合でも、必ず売主様が駆除・修繕してから売却した方がよいとは限りません。

被害範囲が明確で、比較的少ない費用で駆除と補修ができる場合は、対応することで購入希望者の不安を減らせる可能性があります。

一方、床下や壁内部まで広範囲に被害が疑われる場合、構造部材の交換が必要な場合、雨漏りや腐食など他の問題もある場合は、工事費が大きくなる可能性があります。

駆除だけでは、すでに食害を受けた柱や土台の強度が元に戻るわけではありません。必要に応じて、傷んだ木部の補修や交換も検討します。

駆除・修繕してから売却する方法が向いているケース
  • 被害箇所と範囲が明確である。
  • 被害が部分的で、構造への影響が小さい。
  • 駆除・修繕費用が比較的少額である。
  • 建物全体の状態が良く、中古住宅として需要がある。
  • 施工内容や保証について書面を用意できる。
  • 工事によって購入対象者が増えると考えられる。
現況での売却を検討した方がよいケース
  • 被害範囲を完全に確認できていない。
  • 床下や壁の内部まで大規模な修繕が必要となる可能性がある。
  • 建物全体の老朽化が進み、他にも修繕箇所が多い。
  • 買主様が全面リフォームや解体を予定している。
  • 売主様が工事費用を先に負担することが難しい。
  • 工事費用を売却価格から回収できる見込みが低い。
調査・駆除・修繕の見積りで確認したいこと
見積りの確認事項
  • 床下のどの範囲を調査したか
  • 被害が現在進行中か、過去の痕跡か
  • 駆除、防除処理を行う範囲
  • 傷んだ柱、土台、床組などの補修を含むか
  • 床や壁を解体・復旧する費用を含むか
  • 床下の湿気や漏水への対策を含むか
  • 追加工事が発生する条件
  • 工事後の保証期間と保証対象
  • 定期点検や再処理の条件
既存住宅売買瑕疵保険でシロアリ被害は補償されますか?

既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の検査と保証を組み合わせた保険ですが、一般的な基本補償がシロアリ被害をすべて対象にするとは限りません。

保険商品によっては、シロアリによる建物の損傷を対象とする特約などが用意されている場合があります。

加入には所定の検査や条件があり、現在被害がある場合は、駆除や修繕後の確認が必要になる可能性があります。

保険期間、補償対象、保険金額、免責金額、シロアリに関する特約の有無は商品ごとに異なるため、登録検査事業者や保険法人へ個別に確認してください。

どの売却方法が適しているかを判断する目安
被害箇所と範囲を確認できていますか?
確認できていなければ、必要に応じて床下調査を検討します。
構造部材への影響は小さいですか?
部分的な被害であれば、駆除・修繕後の中古住宅販売を比較します。
建物全体に利用価値がありますか?
利用価値があれば、被害を説明した現況売却も検討します。
大規模な補修が必要ですか?
工事費が大きい場合は、古家付き土地としての販売も比較します。
最終判断
調査費、駆除・修繕費、想定売却価格、解体費、土地需要、契約上のリスクを比較して決めます。
現況で売却する場合に書面で確認したいこと
  • 確認されている被害箇所
  • 被害を確認した時期
  • 調査を実施した範囲と未調査部分
  • 過去の駆除、防除、修繕内容
  • 駆除後の再発状況
  • 引渡し前に売主様が行う工事の有無
  • 買主様が購入後に対応すること
  • 売買価格に被害状況を反映していること
  • 契約不適合責任を負う範囲と期間
  • 調査報告書、保証書、工事資料の引継ぎ
よくある失敗例
被害箇所を隠して販売した

傷んだ床や柱を表面だけ補修し、被害を伝えなかった場合、引渡し後の紛争につながる可能性があります。

駆除だけで問題が解決したと考えた

シロアリを駆除しても、すでに食害を受けた柱や土台の補修が必要な場合があります。

床下の一部だけを見て被害なしと説明した

確認できなかった範囲に被害が残っており、後から説明不足を指摘されることがあります。

口頭だけで説明した

引渡し後に、どの被害まで説明を受けたのかについて認識が食い違う可能性があります。

高額な工事を先に発注した

工事費を売却価格から回収できず、買主様が購入後に別の改修を行う場合があります。

現状有姿だから責任はないと考えた

現状有姿や免責特約があっても、把握している被害を説明しなくてよいわけではありません。

よくあるご相談

例えば、相続した実家について、床が一部沈むため業者へ確認を依頼したところ、床下の土台にシロアリ被害が見つかったというご相談があります。

調査の結果、被害が水回り付近の一部に限られ、他の建物状態が良好であれば、駆除と部分補修を行い、中古住宅として販売できる場合があります。

一方、複数の柱や土台に広い範囲の食害があり、雨漏りや腐食も進んでいる場合は、現況での売却や古家付き土地としての販売を比較します。

被害があることだけで売却方法を決めるのではなく、被害範囲と建物全体の利用価値を確認することが重要です。

拓新リアルティ不動産からのアドバイス

都城市・三股町では、築年数の古い住宅や長期間空き家となっている住宅について、シロアリ被害や床の沈みに関する売却相談をいただくことがあります。

当社では、シロアリ被害があるという理由だけで、すぐに高額な駆除・修繕や解体をおすすめすることはありません。

まず、被害が確認された場所、過去の駆除履歴、床下を確認できる範囲、建物全体の状態、土地としての需要などを整理します。

そのうえで、駆除・修繕して中古住宅として売る方法、被害状況を説明して現況で売る方法、古家付き土地として売る方法を比較します。

床下全体を確認していない場合や被害範囲が分からない場合は、確認できている事実と未確認の部分を分けて買主様へ説明することが大切です。

過去の駆除資料がない、相続したため詳しい経緯が分からない、家財道具が残っているといった場合でもご相談いただけます。

駆除業者やリフォーム業者へ高額な工事を依頼する前に、まず現在の状態で査定をご依頼ください。

まとめ
  • シロアリ被害がある住宅でも売却できます。
  • 必ず売主様が駆除・修繕してから売る必要はありません。
  • 確認している被害箇所、発見時期、駆除・修繕履歴を整理します。
  • 被害範囲が不明な場合は、必要に応じて専門的な床下調査を検討します。
  • 建物状況調査だけでは、床下全体のシロアリ被害を確認できない場合があります。
  • 駆除しても、食害を受けた柱や土台の補修が必要な場合があります。
  • 現状有姿や免責特約があっても、把握している被害は説明します。
  • 現況売却では、調査範囲と責任範囲を書面で明確にします。
  • 既存住宅売買瑕疵保険の基本補償が、すべてのシロアリ被害を対象とするとは限りません。
  • 駆除・修繕費を売却価格へ全額上乗せできるとは限りません。
  • 中古住宅、現況売却、古家付き土地、更地での売却を比較します。
  • 高額な工事を行う前に、現在の状態で査定を受けましょう。
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