不動産売却の流れを教えてください。

不動産売却は、一般的に「売却相談」「査定」「売出価格の決定」「媒介契約」「販売活動」「購入申込み」「売買契約」「引渡し準備」「決済・引渡し」「確定申告」という流れで進みます。ただし、住宅ローン、相続登記、境界、建物の不具合、家財道具などの状況によって必要な準備は異なります。まずは現在の状況を不動産会社へ正確に伝え、売却方法とスケジュールを整理することが大切です。
30秒で分かる結論

不動産売却は、査定を受けて売出価格を決め、不動産会社と媒介契約を結んだ後、販売活動、売買契約、決済・引渡しへ進むのが一般的です。相談から引渡しまで数か月かかることも多いため、売却理由、希望時期、住宅ローン残高、相続登記、境界、建物の状態などを早めに整理しましょう。

回答

不動産売却は、売却相談から始まり、物件調査・査定、売出価格の決定、媒介契約、販売活動、購入申込み、売買契約、引渡し準備、決済・引渡し、確定申告という順番で進みます。

すべての物件が同じ期間や手続きで売却できるわけではありません。相続登記が終わっていない、住宅ローンが残っている、土地の境界が分からない、建物に雨漏りやシロアリ被害がある、家財道具が残っている場合は、追加の手続きが必要になることがあります。

売却を急ぐ場合でも、査定価格だけで不動産会社を選ばず、売却方法、想定する買主様、販売期間、必要な費用、契約条件まで確認することが大切です。

先に確認しておきたいポイント
  • 最初に売却理由と希望時期を整理します。
  • 査定価格と実際に売れる価格は同じとは限りません。
  • 住宅ローン残高や抵当権の有無を確認します。
  • 相続物件は、原則として相続登記後に所有権を移転します。
  • 建物や設備の不具合は、分かる範囲で正確に伝えます。
  • 測量、解体、リフォーム、家財処分を先に行う必要がない場合もあります。
  • 購入申込みは金額だけでなく、融資や引渡し条件も確認します。
  • 売買契約後は、決済・引渡しの準備を期限内に進めます。
不動産売却の全体的な流れ
STEP1 売却相談
売却理由、希望時期、物件の状況、ご希望条件を不動産会社へ伝えます。
↓
STEP2 物件調査・査定
登記、法令、道路、周辺相場、建物状態などを調査し、査定価格を算出します。
↓
STEP3 売出価格と売却方法の決定
査定結果を参考に、売出価格、販売条件、売却時期を決めます。
↓
STEP4 媒介契約
売却を依頼する不動産会社と媒介契約を締結します。
↓
STEP5 販売活動
広告、既存顧客への紹介、他社との連携、現地案内などを行います。
↓
STEP6 購入申込み・条件調整
購入希望価格、融資、引渡し時期、修理条件などを確認します。
↓
STEP7 重要事項説明・売買契約
契約条件を確認し、売買契約書へ署名・押印します。
↓
STEP8 引渡し準備
抵当権抹消、引越し、家財撤去、測量、解体などを進めます。
↓
STEP9 決済・引渡し
残代金を受け取り、所有権移転登記、鍵や書類の引渡しを行います。
↓
STEP10 確定申告
譲渡所得が生じた場合や特例を利用する場合は確定申告を行います。
一般的な売却期間の目安
段階 期間の目安 主な内容
相談・査定 数日~2週間程度 資料確認、現地調査、価格査定
販売準備 数日~2週間程度 媒介契約、写真撮影、広告作成
販売活動 1~6か月以上 広告、問い合わせ、内覧、交渉
契約から引渡し 約1~2か月 融資審査、引越し、抵当権抹消
確定申告 売却した翌年 譲渡所得の申告、特例の申請

期間は、価格、立地、建物の状態、市場の需要、売却条件、相続や測量の進み具合によって大きく異なります。

STEP1 不動産会社へ売却相談をする

売却することを最終決定していない段階でも相談できます。現在の価値を知りたい、将来売却する可能性がある、相続した不動産をどうするか迷っている場合も問題ありません。

相談時は、売却理由、希望時期、希望価格、居住・空き家・賃貸中の別、住宅ローン、相続や共有、建物の不具合、境界、家財道具、近隣へ知られたくない事情などを伝えます。

相談時にあると役立つ書類
  • 固定資産税納税通知書・課税明細書
  • 登記識別情報通知・権利証
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • 建築確認済証・検査済証
  • 建物図面・測量図・境界確認書
  • 住宅ローンの残高資料
  • 修理・リフォーム記録
  • 相続関係書類
  • 賃貸中の場合は賃貸借契約書

書類が見つからない場合でも相談や査定は可能です。不具合や境界問題など、不利と思われる情報も早い段階で共有することが、後のトラブル防止につながります。

STEP2 物件調査と査定を受ける

査定には、資料や周辺相場をもとに概算を算出する簡易査定と、実際に現地を確認する訪問査定があります。具体的に売却を検討している場合は、道路、境界、建物状態、周辺環境を確認できる訪問査定が適しています。

比較 簡易査定 訪問査定
現地確認 原則なし 土地・建物を確認
用途 概算価格を知りたい場合 具体的に売却する場合
注意点 個別条件を反映しにくい 資料調査に時間を要する場合がある

査定では、土地・建物面積、用途地域、道路、上下水道、築年数、修繕状況、雨漏り・シロアリ、境界・越境、周辺の成約事例、住宅ローン、測量・解体・修繕費などを確認します。

査定価格で必ず売れるわけではありません

査定価格は売却価格の目安であり、不動産会社がその金額で買い取る保証ではありません。価格の高さだけでなく、根拠、想定する購入者、販売方法、売却期間、手取り額を確認しましょう。

STEP3 売出価格と売却方法を決める

査定結果と売主様の希望を踏まえ、広告へ掲載する売出価格を決めます。高すぎる価格は販売を長期化させる可能性があり、早期売却を優先する場合は市場で検討されやすい価格設定が必要です。

査定価格:不動産会社が算出した価格の目安

売出価格:広告で購入希望者へ提示する価格

成約価格:交渉のうえで売主様と買主様が合意した価格

売却方法は、中古住宅、古家付き土地、更地渡し、現状有姿、境界確定後の引渡し、家財撤去後の引渡し、買主様決定後の解体などから物件に合う方法を検討します。

手取り額の目安
売却代金-住宅ローン残高-売却費用=手取り額
STEP4 不動産会社と媒介契約を結ぶ

媒介契約は、不動産会社へ売却活動を依頼し、業務内容や契約期間を定める契約です。一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。

比較 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
複数社へ依頼 可能 不可 不可
自己発見取引 可能 可能 原則、依頼会社を通す
報告 法律上の定めなし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズ登録 法律上の義務なし 7営業日以内 5営業日以内

複数社へ依頼すれば必ず早く売れるわけではありません。査定額だけでなく、地域の相場、担当者の経験、販売方針、報告内容、契約書作成能力、他社への対応も確認します。

STEP5 販売活動を開始する

不動産会社は、不動産情報サイト、指定流通機構、既存顧客への紹介、他の不動産会社との連携、チラシ、現地看板、現地案内などを行います。

近隣に知られたくない場合は、広告を出さず、紹介先を限定する方法もあります。ただし、情報公開を限定すると、売却期間や価格へ影響する可能性があります。

販売中に確認すること
  • 広告媒体と掲載内容
  • 閲覧数・問い合わせ件数
  • 内覧件数と購入希望者の反応
  • 見送られた理由
  • 競合物件の状況
  • 価格・条件の見直し案

問い合わせが少ない場合は、すぐに値下げする前に、価格、写真、説明、引渡し条件、内覧対応、物件の問題点、競合物件などを分析します。

居住中でも内覧できます。室内を明るくし、通路を整理し、貴重品や個人情報を片付けます。価格、修理、設備の譲渡などは、その場で約束せず、不動産会社を通じて回答します。

STEP6 購入申込みを受け、条件を調整する

購入希望者は、購入希望価格、手付金、融資、契約日、引渡し日などを記載した購入申込書を提出することがあります。購入申込みは、原則として売買契約そのものではありません。

確認する条件
  • 購入希望価格と手付金
  • 住宅ローン事前審査
  • 契約・引渡し希望日
  • 測量、解体、修理の希望
  • 家具・設備・残置物
  • 住宅ローン特約
  • 買主様の自宅売却の有無

複数の申込みがあっても、最高額の方を必ず選ぶ必要はありません。融資の確実性、引渡し時期、工事条件、解除条件などを含めて判断します。

値引きに応じるかは売主様が決めます。価格を下げる代わりに、現状有姿、設備保証なし、売主負担工事を減らすなど、条件全体で調整する方法もあります。

住宅ローン特約

予定した融資の承認が得られなかった場合に、一定の要件で契約を解除できる取決めです。金融機関、融資額、承認期限、解除期限、通知方法、買主様が行う手続きを明確にします。

STEP7 重要事項説明を受け、売買契約を締結する

宅地建物取引士が、登記、法令、道路、設備、災害リスク、解除、融資特約などを買主様へ説明します。その後、売主様と買主様が売買契約書の内容を確認し、署名・押印します。

売買契約書の主な確認事項
  • 売買代金、手付金、残代金
  • 決済・引渡し日
  • 抵当権の抹消
  • 固定資産税等の精算
  • 境界・測量
  • 建物・設備の状態
  • 契約不適合責任
  • 融資特約・手付解除
  • 違約解除・違約金
  • 物件固有の特約

物件状況報告書には、雨漏り、シロアリ、傾き、給排水、修繕、境界、越境、地中埋設物などを記載します。付帯設備表には、キッチン、給湯器、エアコン、井戸、太陽光設備等の有無、不具合、動作確認状況を記載します。

確認していない事項を「なし」と断定せず、「不明」「未調査」「動作未確認」と区別します。

手付金の管理に注意

契約解除により返還や倍額提供が必要となる可能性があります。決済・引渡しが完了するまで、手付金を安易に使わないことが安全です。

売買契約後の変更は双方の合意が必要です。手付解除、融資特約、契約違反、合意解除、停止条件など、解除の可否は契約内容と事実関係によって異なります。

STEP8 決済・引渡しの準備を進める

契約後は、住宅ローン完済、抵当権抹消、住所・氏名変更登記、相続登記、測量、解体、修理、家財撤去、引越し、司法書士による本人確認などを進めます。

引渡しまでの主な準備
  • 金融機関へ一括返済を申し込む
  • 抵当権抹消書類を準備する
  • 登記上の住所・氏名を確認する
  • 相続登記や共有者の手続きを終える
  • 境界明示・測量を行う
  • 約束した修理・解体を行う
  • 引越し・家財撤去を終える
  • 鍵・説明書・保証書を整理する
  • 司法書士へ書類を提出する

売却代金だけで住宅ローンを完済できない場合は、不足額を自己資金で準備する必要があります。難しい場合は、契約前に金融機関へ相談します。

相続物件は、原則として買主様への所有権移転までに相続登記を行います。共有名義の物件全体を売却するには、原則として共有者全員の協力が必要です。

確定測量は、隣接地所有者の立会いや公道との境界確認に時間がかかる場合があります。解体では、建物だけでなく基礎、塀、樹木、浄化槽、井戸、地中埋設物の取扱いも明確にします。

司法書士による本人確認

司法書士は、売主様の本人確認、売却意思、権利証、登記上の住所・氏名等を確認します。売主様本人が契約内容を理解し、自分の意思で売却していることを確認できない場合は、登記手続きを進められない可能性があります。

STEP9 残代金決済と物件の引渡し

決済日には、買主様から残代金を受け取り、所有権移転登記に必要な書類を司法書士へ渡し、鍵や関係書類を買主様へ引き渡します。

① 本人確認・書類確認

↓

② 固定資産税等の精算確認

↓

③ 残代金の振込み・入金確認

↓

④ 住宅ローン完済・抵当権抹消書類の受領

↓

⑤ 登記書類、鍵、関係書類の引渡し

⑥ 決済・引渡し完了

振込依頼書を確認しただけではなく、実際の入金を確認してから鍵等を引き渡します。固定資産税・都市計画税は、契約で定めた起算日と引渡し日を基準に日割り精算することが一般的ですが、自治体への納税義務者が変更されるものではありません。

買主様へ、鍵、リモコン、取扱説明書、保証書、建築確認書類、図面、測量図、修理記録、浄化槽・井戸・太陽光設備の資料などを引き継ぎます。

STEP10 必要に応じて確定申告を行う

不動産を売却して利益が生じた場合は、原則として譲渡所得の確定申告が必要です。自宅の3,000万円特別控除、相続した空き家の特例、取得費加算の特例などを利用する場合も申告が必要となることがあります。

譲渡所得の基本
売却代金-取得費-譲渡費用-特別控除=課税譲渡所得

取得費には購入代金や建築費等が含まれ、建物は減価償却費相当額を差し引きます。取得費が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費とする方法がありますが、税負担が大きくなる可能性があります。

売却時・購入時の契約書、仲介手数料、印紙税、測量費、解体費などの領収書を保管します。特例の要件や税額は、税務署または税理士へ確認してください。

売却期間を短くするポイント
  1. 相場に合った価格を設定する。
  2. 必要書類を早めに準備する。
  3. 不具合や問題を最初に共有する。
  4. 内覧へ柔軟に対応する。
  5. 販売状況を定期的に見直す。
  6. 契約後の測量、抵当権抹消、家財撤去等を早く始める。
よくある失敗例

最も高い査定価格を提示した会社へ依頼した
査定根拠を確認せず高く売り出し、販売が長期化することがあります。

住宅ローン残高を確認していなかった
売却代金で完済できず、決済できない場合があります。

不具合を伝えなかった
引渡し後の契約不適合や説明をめぐるトラブルにつながります。

査定前に高額なリフォームや解体をした
費用を売却価格から回収できない場合や、土地の利用価値を下げる場合があります。

購入価格だけで買主様を選んだ
融資や解除条件が整わず、契約後に解除となる可能性があります。

手付金をすぐに使った
解除時の返還や倍額提供ができない可能性があります。

契約書や領収書を処分した
確定申告で取得費や譲渡費用を証明できない可能性があります。

売主様向けチェックリスト
売却相談前
  • □ 売却理由と希望時期を整理した
  • □ 住宅ローン残高を確認した
  • □ 権利証や固定資産税資料を探した
  • □ 共有者・相続人へ相談した
査定・販売前
  • □ 建物や設備の不具合を伝えた
  • □ 境界や越境を伝えた
  • □ 査定根拠と手取り額を確認した
  • □ 情報公開の範囲を決めた
契約前
  • □ 価格以外の条件を確認した
  • □ 融資、手付金、解除条件を確認した
  • □ 修理、測量、解体の負担を確認した
  • □ 物件状況報告書等を正確に作成した
決済前・売却後
  • □ 金融機関と司法書士へ連絡した
  • □ 引越し、家財撤去、契約上の工事を終えた
  • □ 鍵、書類、振込先を確認した
  • □ 契約書・領収書を保管した
  • □ 確定申告の要否を確認した
拓新リアルティ不動産からのアドバイス

都城市・三股町では、土地、中古住宅、相続した実家、長期間利用していない空き家など、さまざまな売却相談があります。市街地と郊外では購入者層や価格帯が異なり、同じ販売方法が適しているとは限りません。

当社では、現在の状態で販売する方法、修理して中古住宅として販売する方法、古家付き土地、買主様決定後の解体などを比較します。住宅ローン、相続登記、境界、越境、雨漏り、シロアリ、家財道具などの問題がある場合も、現在分かっている状況から整理します。

査定を依頼したからといって、必ず売却する必要はありません。現在の価格、売却方法、必要な費用、手取り額を確認してから判断できます。

まとめ
  • 不動産売却は、相談、査定、媒介契約、販売、契約、引渡し、確定申告の順に進みます。
  • 査定価格は、必ずその金額で売れることを保証するものではありません。
  • 売出価格、成約価格、最終的な手取り額は異なります。
  • 購入申込みは価格だけでなく、融資、手付金、引渡し条件を確認します。
  • 把握している建物や設備の不具合は買主様へ説明します。
  • 現状有姿と契約不適合責任の免責は同じ意味ではありません。
  • 売買契約後は、双方の合意なく条件を変更できません。
  • 住宅ローンは決済時に完済し、抵当権を抹消します。
  • 相続物件は、原則として所有権移転までに相続登記を行います。
  • 測量、解体、修理、家財撤去は契約条件に従って進めます。
  • 残代金の入金確認後に、鍵と登記書類を引き渡します。
  • 売却後は契約書や領収書を保管し、確定申告を確認します。
関連するQ&A
  • 売却にはどれくらいの期間がかかりますか?
  • 査定後に売却を断っても大丈夫ですか?
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  • 不動産の売却にはどのような費用がかかりますか?
  • 住宅ローンが残っていても売却できますか?
  • 相続した不動産を売却できますか?
  • 現状有姿での売却とは何ですか?
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