媒介契約とは、不動産会社へ売却活動を正式に依頼する契約です。一般媒介契約は複数社へ依頼でき、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社だけに依頼します。窓口を一本化しながら、自分で見つけた買主様との直接契約の可能性も残したい場合は、専任媒介契約が比較的選びやすい契約です。ただし、最適な契約は物件の状況や売主様の希望によって異なります。
媒介契約とは、売主様が不動産会社へ売却を依頼し、販売活動の方法、契約期間、報告方法、報酬などを定める契約です。
不動産会社は媒介契約に基づいて、物件調査、価格査定、広告、購入希望者への紹介、現地案内、条件交渉、契約書類の作成、決済・引渡しの支援などを行います。
ただし、媒介契約を締結した時点で不動産が売れたわけではありません。購入希望者が見つかり、売主様と買主様が価格や引渡し条件などに合意して、売買契約を締結する必要があります。
媒介契約を締結する目的は、売主様と不動産会社との間で、売却の依頼内容や双方の役割を明確にすることです。
口頭だけで依頼すると、売出価格、広告方法、報告頻度、契約期間、仲介手数料などについて、後から認識が食い違う可能性があります。媒介契約書で内容を確認することにより、売却活動を計画的に進めやすくなります。
| 比較項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 依頼できる会社 | 複数社 | 1社 | 1社 |
| 自己発見取引 | 可能 | 可能 | 原則不可 |
| レインズ登録 | 法律上の義務なし | 7日以内 | 5日以内 |
| 業務報告 | 法律上の定期報告義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 有効期間 | 法律上の上限なし 標準約款では3か月以内 |
3か月以内 | 3か月以内 |
| 窓口管理 | 各社と個別に連絡 | 1社へ一本化 | 1社へ一本化 |
| 売主様の自由度 | 高い | 中程度 | 低い |
※専任媒介・専属専任媒介のレインズ登録期間は、媒介契約締結日の翌日から数え、不動産会社の休業日は算入しません。
一般媒介契約は、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できる契約です。売主様が自分で見つけた買主様と直接契約することもできます。
需要が高く、複数の不動産会社を売主様自身で管理できる場合には選択肢となります。一方、相続、境界、建物の不具合など、調整事項が多い物件では、各社へ同じ情報を正確に伝える必要があります。
専任媒介契約は、売却を依頼する不動産会社を1社に限定する契約です。売主様が自分で見つけた買主様と直接契約することは可能です。
売却の窓口を一本化しながら、自分で買主様を見つける可能性も残したい方には、比較的選びやすい契約です。
専属専任媒介契約は、依頼する不動産会社を1社に限定し、売主様が自分で買主様を見つけた場合も、原則として依頼会社を通じて契約する契約です。
レインズとは、国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社間の物件情報共有システムです。
専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結した物件がレインズへ登録されると、依頼した会社以外の不動産会社も情報を確認し、自社の購入希望者へ紹介できます。
レインズへの登録後、不動産会社から登録証明書が交付されます。売出価格、所在地、面積などの登録内容に誤りがないか確認してください。
登録証明書に記載された情報を利用して売主専用画面へアクセスし、登録内容や取引状況を確認できる場合があります。
自己発見取引とは、売主様が不動産会社の紹介によらず、親族、知人、隣接地所有者などから自分で購入希望者を見つけて契約することです。
一般媒介契約と専任媒介契約では原則として可能ですが、専属専任媒介契約では原則として依頼会社を通じて契約します。
自己発見取引が可能な契約でも、権利関係、道路、境界、建物の不具合、契約不適合責任、住宅ローン、登記などの確認は必要です。知人同士の売買でも、専門家へ相談せずに口約束だけで進めることはおすすめできません。
| 売主様の状況 | 候補 | 注意点 |
|---|---|---|
| 複数社の対応を比較したい | 一般媒介 | 情報や申込み状況を自分で管理します。 |
| 遠方の相続物件を売却したい | 専任・専属専任 | 窓口を一本化しやすくなります。 |
| 親族や知人が購入する可能性がある | 一般・専任 | 自己発見取引と費用の条件を確認します。 |
| 境界や建物不具合などの問題が多い | 専任・専属専任 | 情報と契約条件を一元管理しやすくなります。 |
専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は3か月以内です。一般媒介契約には法律上の期間上限はありませんが、国土交通省の標準媒介契約約款では3か月以内とされています。
契約期間が満了しても、自動的に更新されるとは限りません。引き続き依頼する場合は、売主様の申出により更新するのが基本です。
更新前には、問い合わせ件数、内覧者の反応、広告内容、他社からの紹介、価格設定などを確認し、同じ会社へ依頼を続けるか判断しましょう。
媒介契約を途中で終了できる場合はありますが、契約内容と終了理由を確認する必要があります。
売主様の都合で契約上の義務に反して終了した場合や、専任媒介中に他社へ重ねて依頼した場合などは、実際に要した費用や違約金が問題になることがあります。
不動産会社の対応に不満がある場合は、突然ほかの会社へ依頼する前に、販売報告、レインズ登録、広告内容、他社からの紹介状況を確認し、改善を求めましょう。
媒介契約を締結しただけで、直ちに通常の仲介手数料全額が発生するとは限りません。仲介手数料は、媒介によって売買契約が成立した場合に請求されることが一般的です。
支払時期は、売買契約時に一部、決済時に残額を支払う方法や、決済時にまとめて支払う方法などがあります。媒介契約書や報酬額に関する書面で確認してください。
通常の広告費は、原則として仲介手数料に含まれるものとして取り扱われます。ただし、売主様が特別に依頼した広告や遠隔地への出張などについては、事前の合意により実費負担が生じることがあります。
専任媒介契約または専属専任媒介契約で依頼する会社は1社ですが、購入希望者を探す会社まで1社に限定されるわけではありません。
レインズなどを通じて、他の不動産会社も物件を確認し、自社の購入希望者へ紹介できます。依頼会社には、他社からの問い合わせや案内依頼へ適切に対応することが求められます。
根拠のない高い価格で売り出し、問い合わせが入らないまま販売が長期化することがあります。
広告や説明が不統一になり、売主様の管理負担が増えることがあります。
契約の種類だけでなく、会社の販売力、報告内容、他社対応を確認する必要があります。
自己発見取引、契約期間、違約金、費用負担などについて、後から認識が食い違う場合があります。
問い合わせが少ない原因や、価格を見直すべき時期を判断できなくなります。
都城市・三股町の不動産売却では、複数社へ依頼したからといって、必ず購入希望者が増えるわけではありません。各社が利用する不動産情報サイトや、購入希望者が検索する範囲は重なることが多いためです。
特に、相続した空き家、築年数の古い住宅、境界が不明な土地、雨漏りやシロアリ被害のある住宅などは、価格や広告だけでなく、物件の状況と契約条件を正確に整理する必要があります。
このような物件では、窓口を1社にまとめ、司法書士、土地家屋調査士、解体業者等との調整を一元化できる専任媒介契約が適していることがあります。
一方、購入希望者を具体的に抱えている不動産会社が複数ある場合や、売主様ご自身で各社を管理できる場合は、一般媒介契約も選択肢となります。
当社では、特定の媒介契約を一律におすすめするのではなく、物件の状態、売却期限、情報公開の希望、売主様のご負担などを確認したうえで、ご説明いたします。


