媒介契約とは何ですか?

媒介契約とは、不動産を売却する際に、販売活動や購入希望者との条件調整、売買契約、引渡しまでの支援を不動産会社へ依頼するための契約です。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、依頼できる不動産会社の数、レインズへの登録、販売状況の報告、自分で買主様を見つけた場合の取扱いなどが異なります。
30秒で分かる結論

媒介契約とは、不動産会社へ売却活動を正式に依頼する契約です。一般媒介契約は複数社へ依頼でき、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社だけに依頼します。窓口を一本化しながら、自分で見つけた買主様との直接契約の可能性も残したい場合は、専任媒介契約が比較的選びやすい契約です。ただし、最適な契約は物件の状況や売主様の希望によって異なります。

回答

媒介契約とは、売主様が不動産会社へ売却を依頼し、販売活動の方法、契約期間、報告方法、報酬などを定める契約です。

不動産会社は媒介契約に基づいて、物件調査、価格査定、広告、購入希望者への紹介、現地案内、条件交渉、契約書類の作成、決済・引渡しの支援などを行います。

ただし、媒介契約を締結した時点で不動産が売れたわけではありません。購入希望者が見つかり、売主様と買主様が価格や引渡し条件などに合意して、売買契約を締結する必要があります。

重要なポイント
  • 媒介契約は、売買契約とは別の契約です。
  • 媒介契約を結んでも、査定価格で売れることが保証されるわけではありません。
  • 売出価格の最終決定権は売主様にあります。
  • 3種類の中から売主様が選択できます。
  • 契約の種類だけで売却結果が決まるわけではありません。
  • 不動産会社の販売力、説明、報告、他社との連携も重要です。
媒介契約を締結する目的

媒介契約を締結する目的は、売主様と不動産会社との間で、売却の依頼内容や双方の役割を明確にすることです。

口頭だけで依頼すると、売出価格、広告方法、報告頻度、契約期間、仲介手数料などについて、後から認識が食い違う可能性があります。媒介契約書で内容を確認することにより、売却活動を計画的に進めやすくなります。

媒介契約書で確認する主な内容
  • 売却を依頼する不動産の表示
  • 一般・専任・専属専任の契約区分
  • 売出価格と査定価格の根拠
  • 媒介契約の有効期間
  • 不動産会社が行う販売活動
  • レインズへの登録
  • 販売状況の報告方法
  • 仲介手数料と支払時期
  • 契約の更新・終了・違反に関する事項
  • 広告費などの追加負担の有無
3種類の媒介契約を比較
比較項目 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
依頼できる会社 複数社 1社 1社
自己発見取引 可能 可能 原則不可
レインズ登録 法律上の義務なし 7日以内 5日以内
業務報告 法律上の定期報告義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
有効期間 法律上の上限なし
標準約款では3か月以内
3か月以内 3か月以内
窓口管理 各社と個別に連絡 1社へ一本化 1社へ一本化
売主様の自由度 高い 中程度 低い

※専任媒介・専属専任媒介のレインズ登録期間は、媒介契約締結日の翌日から数え、不動産会社の休業日は算入しません。

一般媒介契約

一般媒介契約は、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できる契約です。売主様が自分で見つけた買主様と直接契約することもできます。

メリット
  • 複数社へ依頼できます。
  • 各社の顧客へ紹介してもらえます。
  • 会社ごとの対応を比較できます。
  • 自己発見取引ができます。
デメリット
  • 複数社との連絡が必要です。
  • 広告内容が不統一になる場合があります。
  • 法律上の定期報告義務がありません。
  • 会社によっては販売活動へ費用をかけにくい場合があります。

需要が高く、複数の不動産会社を売主様自身で管理できる場合には選択肢となります。一方、相続、境界、建物の不具合など、調整事項が多い物件では、各社へ同じ情報を正確に伝える必要があります。

専任媒介契約

専任媒介契約は、売却を依頼する不動産会社を1社に限定する契約です。売主様が自分で見つけた買主様と直接契約することは可能です。

メリット
  • 窓口を1社へまとめられます。
  • 価格や広告を一元管理できます。
  • 定期的な業務報告があります。
  • レインズを通じて他社も紹介できます。
  • 自己発見取引も可能です。
デメリット
  • ほかの会社へ重ねて依頼できません。
  • 依頼会社の対応力に影響されます。
  • 会社選びを誤ると販売が停滞する場合があります。
  • 他社からの紹介へ適切に対応する会社か確認が必要です。

売却の窓口を一本化しながら、自分で買主様を見つける可能性も残したい方には、比較的選びやすい契約です。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、依頼する不動産会社を1社に限定し、売主様が自分で買主様を見つけた場合も、原則として依頼会社を通じて契約する契約です。

メリット
  • 売却業務を1社へまとめられます。
  • 1週間に1回以上の業務報告があります。
  • 比較的早くレインズへ登録されます。
  • 売却状況を細かく確認できます。
デメリット
  • 売主様の自由度が低くなります。
  • 自己発見取引が原則できません。
  • 親族や知人が買う場合も注意が必要です。
  • 依頼会社の販売力に大きく左右されます。
レインズとは何ですか?

レインズとは、国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社間の物件情報共有システムです。

専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結した物件がレインズへ登録されると、依頼した会社以外の不動産会社も情報を確認し、自社の購入希望者へ紹介できます。

登録証明書を確認しましょう

レインズへの登録後、不動産会社から登録証明書が交付されます。売出価格、所在地、面積などの登録内容に誤りがないか確認してください。

登録証明書に記載された情報を利用して売主専用画面へアクセスし、登録内容や取引状況を確認できる場合があります。

自己発見取引とは何ですか?

自己発見取引とは、売主様が不動産会社の紹介によらず、親族、知人、隣接地所有者などから自分で購入希望者を見つけて契約することです。

一般媒介契約と専任媒介契約では原則として可能ですが、専属専任媒介契約では原則として依頼会社を通じて契約します。

自己発見取引が可能な契約でも、権利関係、道路、境界、建物の不具合、契約不適合責任、住宅ローン、登記などの確認は必要です。知人同士の売買でも、専門家へ相談せずに口約束だけで進めることはおすすめできません。

どの媒介契約を選べばよいですか?
複数社へ依頼し、自分で管理したい
一般媒介契約が候補です。
窓口を一本化し、自分で買主様を探す可能性も残したい
専任媒介契約が候補です。
信頼できる1社へ全面的に任せたい
専属専任媒介契約が候補です。ただし、自己発見取引の制限を確認してください。
売主様の状況 候補 注意点
複数社の対応を比較したい 一般媒介 情報や申込み状況を自分で管理します。
遠方の相続物件を売却したい 専任・専属専任 窓口を一本化しやすくなります。
親族や知人が購入する可能性がある 一般・専任 自己発見取引と費用の条件を確認します。
境界や建物不具合などの問題が多い 専任・専属専任 情報と契約条件を一元管理しやすくなります。
媒介契約の期間と更新

専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は3か月以内です。一般媒介契約には法律上の期間上限はありませんが、国土交通省の標準媒介契約約款では3か月以内とされています。

契約期間が満了しても、自動的に更新されるとは限りません。引き続き依頼する場合は、売主様の申出により更新するのが基本です。

更新前には、問い合わせ件数、内覧者の反応、広告内容、他社からの紹介、価格設定などを確認し、同じ会社へ依頼を続けるか判断しましょう。

媒介契約を途中で解約できますか?

媒介契約を途中で終了できる場合はありますが、契約内容と終了理由を確認する必要があります。

売主様の都合で契約上の義務に反して終了した場合や、専任媒介中に他社へ重ねて依頼した場合などは、実際に要した費用や違約金が問題になることがあります。

不動産会社の対応に不満がある場合は、突然ほかの会社へ依頼する前に、販売報告、レインズ登録、広告内容、他社からの紹介状況を確認し、改善を求めましょう。

媒介契約を結ぶと、すぐに仲介手数料がかかりますか?

媒介契約を締結しただけで、直ちに通常の仲介手数料全額が発生するとは限りません。仲介手数料は、媒介によって売買契約が成立した場合に請求されることが一般的です。

支払時期は、売買契約時に一部、決済時に残額を支払う方法や、決済時にまとめて支払う方法などがあります。媒介契約書や報酬額に関する書面で確認してください。

通常の広告費は、原則として仲介手数料に含まれるものとして取り扱われます。ただし、売主様が特別に依頼した広告や遠隔地への出張などについては、事前の合意により実費負担が生じることがあります。

他の不動産会社にも紹介してもらえますか?

専任媒介契約または専属専任媒介契約で依頼する会社は1社ですが、購入希望者を探す会社まで1社に限定されるわけではありません。

レインズなどを通じて、他の不動産会社も物件を確認し、自社の購入希望者へ紹介できます。依頼会社には、他社からの問い合わせや案内依頼へ適切に対応することが求められます。

売主様が確認したいこと
  • レインズの登録証明書を受け取ったか
  • 登録内容に誤りがないか
  • 現在の取引状況がどのように登録されているか
  • 他社から問い合わせや案内依頼があったか
  • 断った案内や申込みがある場合、その理由は何か
  • 広告の閲覧数や問い合わせ件数はどうか
媒介契約でよくある失敗例
最も高い査定価格を提示した会社へ依頼した

根拠のない高い価格で売り出し、問い合わせが入らないまま販売が長期化することがあります。

複数社へ依頼すれば早く売れると思った

広告や説明が不統一になり、売主様の管理負担が増えることがあります。

専任媒介なら必ず積極的に販売してもらえると思った

契約の種類だけでなく、会社の販売力、報告内容、他社対応を確認する必要があります。

媒介契約書を読まずに署名した

自己発見取引、契約期間、違約金、費用負担などについて、後から認識が食い違う場合があります。

販売報告を確認しなかった

問い合わせが少ない原因や、価格を見直すべき時期を判断できなくなります。

媒介契約前のチェックリスト
  • □ 査定価格の根拠を確認した。
  • □ 売出価格と成約予想価格の違いを確認した。
  • □ 3種類の違いを理解した。
  • □ レインズへの登録期限を確認した。
  • □ 業務報告の方法と頻度を確認した。
  • □ 広告を掲載する媒体を確認した。
  • □ 他社からの紹介へ対応するか確認した。
  • □ 自己発見取引の取扱いを確認した。
  • □ 仲介手数料と支払時期を確認した。
  • □ 追加広告費の有無を確認した。
  • □ 契約期間、更新、途中終了を確認した。
  • □ 担当者へ質問しやすいか確認した。
拓新リアルティ不動産からの地域・実務アドバイス

都城市・三股町の不動産売却では、複数社へ依頼したからといって、必ず購入希望者が増えるわけではありません。各社が利用する不動産情報サイトや、購入希望者が検索する範囲は重なることが多いためです。

特に、相続した空き家、築年数の古い住宅、境界が不明な土地、雨漏りやシロアリ被害のある住宅などは、価格や広告だけでなく、物件の状況と契約条件を正確に整理する必要があります。

このような物件では、窓口を1社にまとめ、司法書士、土地家屋調査士、解体業者等との調整を一元化できる専任媒介契約が適していることがあります。

一方、購入希望者を具体的に抱えている不動産会社が複数ある場合や、売主様ご自身で各社を管理できる場合は、一般媒介契約も選択肢となります。

当社では、特定の媒介契約を一律におすすめするのではなく、物件の状態、売却期限、情報公開の希望、売主様のご負担などを確認したうえで、ご説明いたします。

まとめ
  • 媒介契約は、不動産会社へ売却活動を依頼する契約です。
  • 一般媒介は複数社へ依頼できます。
  • 専任媒介と専属専任媒介は1社へ依頼します。
  • 専任媒介では自己発見取引が可能です。
  • 専属専任媒介では自己発見取引が原則制限されます。
  • 専任・専属専任にはレインズ登録義務があります。
  • 専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上の報告があります。
  • 契約の種類だけで売却結果は決まりません。
  • 査定価格の根拠、広告、報告、他社対応を確認しましょう。
  • 売主様の事情と物件の状態に合った契約を選ぶことが大切です。
関連するQ&A
  • どのような売却活動を行いますか?
  • 査定後に売却を断っても大丈夫ですか?
  • 売却活動を途中で中止できますか?
  • 売れない場合は値下げが必要ですか?
  • 仲介手数料はいくらですか?
  • 売却時の広告費用は必要ですか?
  • 不動産売却の流れを教えてください。
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